誰だって最初から離婚するつもりで結婚するわけではありません。
この人と幸せな家庭を…と希望を抱いて結婚したはずが、他人同士が生活をともにしていれば、やがて離婚という選択肢を選ばなければならないことも。
今回は離婚する為に必要な手続きと、有利な離婚の進め方をまとめました。
離婚をすすめる時に重要なこと
今時、離婚する夫婦って珍しくありませんよね。
統計的に夫婦3組のうち1組が離婚するほどですし、離婚を検討している離婚予備軍も相当な数だと予測されます。
性格の不一致・セックスレス・金銭問題・浮気etc、離婚という決断に至る原因は様々ですが、お子さんがいる家庭では特に話し合いのタイミングや順序が重要です。
事前に離婚に関する法的知識を持っておけば、離婚の手続きや話し合いもスムーズになる可能性が高くなりますよ。
離婚する為に必要な手続き
離婚する為に必要な手続きですが、離婚届を出せばオールOKというわけではありません。
円満離婚ならば話もスムーズでしょうが、1つでもモメる点があると様々な手続きや準備が必要になります。
離婚したい気持ちが固まったら、パートナーに伝えるタイミングを考える
離婚したい気持ちを伝えるタイミングは、離婚したい理由によって分けた方がいいでしょう。
また、離婚時に必要な決め事なども、
パートナーの不倫・浮気が原因で離婚を決意した場合
財産分与・慰謝料に関する話し合いが必要です。
相手の不倫・浮気が原因なので、慰謝料はそれなりの額を要求できます。
もしもパートナーが会社を退職するタイミングであれば、退職金も財産分与として含められるので、離婚後の生活資金として確保可能です。
不倫や浮気が原因でなく、どちらか片方が離婚を希望しているケースでは、相手に納得させる・同意させる状況を作らなければなりません。
性格の不一致などが原因で一方的に離婚を希望しているならば、相手を納得させるのに数ヶ月~数年かかることも珍しくありません。
相手が離婚を納得する・同意する状況作りのためにも、離婚に必要な材料を準備してきましょう。
離婚条件は離婚協議書・公正証書を作成して記録するのがベスト
早く離婚したいと思っていると、慰謝料や財産分与を後回しにして先に離婚届を出したくなるかもしれません。
しかし、離婚届を出す前にきっちり話し合って、記録するのがベスト!
離婚届前に話し合いできっちり決めてく必要があるのは次の4つです。
- 親権をどちらが持つか
- 養育費の金額と内容
- 財産分与の額
- 慰謝料の額
さらに決定事項を次の2つのような形で、しっかり残しておきましょう。
- 公正証書
- 離婚協議書
円満離婚の場合であっても、相手が約束を破らない信頼できる相手だったとしても、将来どんな悪状況になるかは誰にも分かりません。
法的に証拠として認められる記録を残しておくべきです。
口約束だったが為に、数年後に養育費の支払いが滞った・慰謝料の分割払いが滞ったという話もあります。
子供との面会に来なくなった・子供との面会に不満を言うようになったなど、子供にとっても辛い思いをするリスクがあるんです。
親権に関しては離婚届提出の前に必ず決めておく必要があります。
養育費や慰謝料は離婚届を出した後でも決定できるでしょうが…あなたなら、離婚した相手と離婚後に何度も会って話し合いをしたいですか?
離婚届を出す前に全て決定して記録に残し、離婚後はすっきりした気持ちで再スタートしたいですよね。
特に養育費や慰謝料などお金絡みの問題は、離婚話でモメる内容ランキングトップに入るほど。
相手への信用問題でもありますが、決定的証拠として法的記録に残しておくべきです。
弁護士への相談も考慮すべし
事前に弁護士へ相談するのも一つの手です。
どのタイミングで話を切り出すかは夫婦の空気にもよりますが
- どのような条件を提示すべきか
- どの項目から話し合いを進めるべきか
- 金額はどれくらいが妥当なのか
など、自分1人で考えて決めるには不安要素がたっぷり!
離婚の話し合い・手続きを進めるにあたって法律のプロ・弁護士に相談すると心強いですよ。
協議離婚の場合でも弁護士の経験と知恵が役立ちます。
離婚に向けて絶対に話し合っておくべき項目は7つあります。
- 子供の親権はどちらが持つのか(子供が未成年の場合)
- 養育費の額や内容
- 面会の日時や条件
- 財産分与と年金の分割
- 慰謝料の額と内容(相手が原因で離婚する場合)
- 約束事・履行について離婚協議書・公正証書の作成
- 上記以外、離婚した後の連絡手段など決めておくべき項目
離婚協議書・公正証書があると安心感が段違い!
離婚後のトラブルで多いのが、養育費や慰謝料の支払い遅延・面会に関するトラブルなど約束不履行です。
離婚前に口頭で話し合いをしたいた場合、離婚後に養育費の振込が滞ったなんて体験談もよく見かけます。
離婚協議書をや公正役場で公正証書を作成しておけば、金銭支払いが滞ってもスムーズに法的手段を取ることができます。
支払いをしない相手の給料や財産差し押さえなど、強制執行に移行できるのです。
相手を信頼しているとしても、必ず支払うと口約束をしていても、いつどこで約束を踏み倒されるか分かりません。
子供のためにも、離婚後の生活のためにも離婚協議書・公正証書を作成しておきましょう。
離婚協議書や公正証書の作成に関しても、弁護士に依頼するとスムーズに正しい内容の書類を作成してもらえます。
内容に不備がないかだけでなく、不利な内容になっていないかどうか、万が一に確実な法的証拠となる内容で整えてもらえるのです。
離婚協議書の必要性
調停離婚だけでなく協議離婚でも、離婚協議書を作成することをオススメします。
それだけ離婚協議書の必要性が高いので、その理由をみていきましょう。
話し合った内容を明確な証拠として残しておける
離婚関連のトラブルでありがちなのが「言った、言わなかった」というものです。
養育費を○万円支払うと言った・言わない
慰謝料を○万円支払うと言った・言わない
など、離婚問題でモメてくると言った言わないの話になってしまいがち。
どちらの言い分が正しいのか、裁判所や調停員も調査しなければならず、調停離婚にも時間がかかってしまいます。
離婚協議書を作成しておけば、養育費や慰謝料の金額・支払い方法・分割か一括かなど明確な証拠として記録し残しておけます。
離婚協議書を作成しないまま口約束で済ませてしまうと、後々になって相手からの支払いが滞った時に、強制執行ができません。
慰謝料や養育費が滞った場合、離婚協議書が明確な証拠となり訴訟で圧倒的有利になります。
確定判決を得られるので、スムーズに給料・財産差し押さえ・強制執行が可能となるのです。
作成したのが公正証書であれば、裁判をすっ飛ばして即刻強制執行が可能、心強いですよ。
慰謝料・財産分与の請求権は時効がある!?時効による請求権の消滅を回避!
この情報を知らずに離婚の話し合いを進めようとする方がいらっしゃいますが、要注意!
離婚する場合、夫婦間で財産分与が行われます。
また相手側の問題で離婚する場合には、慰謝料も請求できますが、財産分与と慰謝料の請求権には【時効】があるんです。
いつまでも請求できるわけではありません!
・財産分与の請求権時効→2年
・慰謝料の請求権時効→3年
この時効を過ぎてしまうと、勝手に財産を処分されてしまっても文句は言えません。
相手の収入面でトラブルが起きて請求できなくなる可能性もゼロではありません。
離婚届を出す前に細かな取り決め・約束を交わして協議書にまとめておくのが、離婚後のトラブル発生率を抑えることができます。
年金の夫婦分割が確定すれば、請求するにあたって離婚協議書の公正証書謄本が必須です。
年金分割も絶対にスルーできない項目です。
離婚届の提出方法とその後必要な手続き
財産分与や年金分割・親権や養育費など話し合いが終了すれば、いよいよ離婚届の提出です。
離婚届に記入しなければならない情報
- 夫婦の氏名、住所、本籍地
- 子供の情報
- 未成年の子供の親権者
- 成人2名、証人としての署名押印
離婚届を提出する際には免許書など本人確認書類が必須です。
もしも本籍地ではない地域で離婚届を出すなら、戸籍謄本を添付することをオススメします。
戸籍謄本が添付されていれば、新しい戸籍をスムーズに作成してもらえますよ。
全てを記入して役所の戸籍課に提出すれば、離婚成立です。
離婚届提出後に必要な手続き
離婚して引っ越しをするなら、転居届や転出届・転入届などを提出し、住所の変更手続きをしなければなりません。
他にも次の公的書類で変更が必要です。
- 住民基本台帳カード
- 運転免許証
- パスポート
- 国民健康保険、国民年金加入
- 保育所や学校の転校手続きなど
相手方の不倫・浮気が原因で離婚する場合!慰謝料・養育費をきっちり回収するための重要ポイント!
相手の不倫・浮気が発覚して夫婦関係が修復不可能となった場合、慰謝料を請求する権利が発生します。
お子さんを引き取る場合には、養育費もきっちり回収したいですよね。
準備をしないまま勢いで離婚届を出してしまい、離婚後に慰謝料・養育費が滞ってトラブルが発生したという体験談も見かけます。
離婚後にお金のことで再びモメるなんて、精神的ストレス・生活困窮の原因になりかねません。
慰謝料・養育費をきっちり回収するために、準備万端で離婚協議を進めましょう!
準備不足で慰謝料が少なくなる・養育費を回収できないなんて悔しいですからね!
また、証拠や準備が足りずに親権を取られてしまうなんてリスクもあります。
ちなみに調停離婚となれば、まず裁判官と調停委員と対面して聞き取り調査が行われます。
相手方との間に裁判所が介入することで、公平公正な離婚協議が進められるのです。
話し合いがスムーズにいかない場合には、何度も聞き取り調査が行われるため、それだけ時間を要します。
半年ほどは時間がかかると覚悟しておきましょう。
調停離婚でも離婚が成立しなかった場合、裁判へと移行します。
調停離婚や裁判になると、事細かに記録されることから離婚協議書を作成せずに済むというメリットはあります。
不倫で離婚する場合、慰謝料の証拠は入念に!写真の証拠で有利なのはラブホテルで入りの瞬間!
芸能人の不倫スキャンダルで、ラブホテルに出入りする瞬間をスクープされて悪評が広まったケースがありますね。
相手が不倫・浮気をしていた場合、不倫相手とラブホテルに出入りする瞬間の写真は、不倫の証拠として決定的な証拠です。
ラブホテルは性行為をするする場所という認識が一般的なので、体の関係があるとみなされます。
そして不倫の決定的な証拠、慰謝料請求権の発生として重要なポイントでもあるんです。
注意が必要なのが、ビジネスホテルへの出入り写真です。
もしも相手方が「取引先・仕事の関係で打ち合わせをしただけだ」と言ってしまえば、証拠としての効力が弱まってしまいます。
相手が不倫・浮気をしていて離婚不可避なのであれば、決定的な証拠を揃えましょう。
いまなら原一探偵事務所で浮気調査の無料相談受付実施中!
不倫が原因で離婚不可避!慰謝料をたっぷり貰うなら婚姻期間と不倫期間も調査!
不倫された・浮気された場合にはきっちり慰謝料を回収したいところ。
安い慰謝料では納得できないので、少しでも高額な慰謝料を決定させたいものです。
慰謝料をたっぷり貰うなら
- 夫婦の婚姻期間がどれくらいだったのか
- 不倫期間がどれくらいあったか
もきっちり調べて把握しておきましょう。
婚姻期間の長さと不倫期間の長さが慰謝料額UPに影響する
離婚調停では慰謝料=精神的苦痛の大きさという基準があります。
婚姻期間が長い・夫婦であった期間がなければ精神的苦痛が大きくなるという基準になり、不倫期間が長ければ長いほど精神的苦痛が大きくなるとされます。
夫婦の婚姻期間が長い、不倫していた期間が長いなら高額な慰謝料を請求できる可能性が高まります。
慰謝料が発生する離婚であれば、必ず婚姻期間と不倫期間を調べておきましょう。
離婚の準備と請求できるお金の話
離婚といってもケースバイケース。
トントン拍子で離婚話が進む夫婦もいれば、合意が得られない・条件の折り合いがつかずに離婚話が進まない夫婦もいます。
自分は離婚を希望していても、相手が離婚を渋れば離婚届は提出できませんし、相手に非がなければ離婚が成立しないケースもあります。
夫婦それぞれの状況・条件によって離婚成立までのペースは異なります。
スムーズに離婚話を進めるために欠かせない情報収集
離婚話がスムーズに行きそうにないのであれば、事前に弁護士や離婚カウンセラー・相談窓口など利用して離婚のための情報収集をしましょう。
簡単に離婚が成立しそうにないなら、第三者の冷静な意見を受け止めて活用するのです。
パートナーの行動が怪しい・浮気や不倫の可能性があるならば、興信所や探偵へ依頼して証拠集めもしておくべきです。
離婚話を少しでも有利に進めるための準備は抜かりなく!
婚姻期間の長さと財産分与の額は直結する
夫婦が離婚する場合、ともに稼いだ・貯蓄した財産を分けなければなりません。
一般的に割合は1:1ですが、財産を増やすのにどれくらい貢献したか、という点も考慮されます。
婚姻期間が長く年収も上がっているならば、財産分与の額も相応の額となるのです。
会社を辞めた時の退職金も財産分与に含まれますよ。
年齢とともに給与・年収が上がっていれば、それだけ財産分与額にも影響があることを知っておきましょう。
専業主婦が離婚してシングルマザーになった場合、国から得られる援助を活用すべし
結婚してずっと専業主婦だった方は、離婚して子供達を引き取ってシングルマザーになる為、金銭面でも不安要素が満載でしょう。
専業主婦からシングルマザーになった方は、国や地方自治体の支援制度を確実に利用してまずは生活を整えましょう。
- 住宅手当
- 児童扶養手当
- 一人親助成制度など
シングルマザー・シングルファザー向けの手当や助成金がありますので、お住いの地域の情報を確実に収集してください。
離婚して旧姓に戻る場合、子供の性変更の手続きを忘れずに!
夫婦別姓の声が上がっていますが、日本では未だ結婚するとどちらかが性を変更しますよね。
離婚した場合には旧姓に戻る方もいれば、条件を満たした状態で結婚した時の性をそのまま名乗ることも可能です。
子供を引き取った上で離婚して旧姓に戻られるなら、お子さんも一緒に性を変更したいですよね。
お子さんの性を変更する場合、家庭裁判所にて「子の氏の変更許可」を申請しなければなりません。
また、お子さんの戸籍も家庭裁判所で氏の変更許可を受けた後、役所に申請して戸籍を移動させる必要があります。
ただ離婚して自分の手続きを完了させれば、子供も自然とくっついてくる…というわけではないのでご注意を!
結婚期間中に財産が増えた!専業主婦が離婚しても財産分与請求権あり!
未だに専業主婦=直接的にお金を稼いでいないという認識がある日本ですが、専業主婦をしていたからこそ夫は仕事に集中できた、という構図を忘れてはいけません。
結婚生活は夫婦で協力する日々のこと。
婚姻期間中に財産が増えたのならば、それだけ専業主婦も家庭や育児で貢献しているのです。
離婚する時にはきちんと財産分与の請求権がありますし、結婚生活で財産が増えたなら貢献度をもとに分与されます。
一般的に財産は共同のものとして、2分割して夫婦で分け合う形になります。
離婚という選択肢で本当に後悔しない?後悔しない選択を
勢いで結婚したという夫婦もあれば、勢いで離婚したという夫婦もいらっしゃいます。
結婚して後悔する夫婦もいれば、離婚してスッキリすると思いきや後悔の方が大きかったなんて方もいらっしゃるのが事実。
結婚生活中は専業主婦に徹し、離婚して金銭面や生活面で非常に苦労したという声もあります。
離婚した後の居住地はどうするのか・生活費や収入はどうやって得るのか、情報をとことん収集して準備を整えるなど、離婚の話し合いや手続き以外にもやることがいっぱいあります。
離婚をした後、経済的状況やシングルとしての生活、子供との生活で困窮し後悔しているという方もいらっしゃいます。
子供と会えなくなった寂しさや辛さ、パートナーがいない生活で大きな寂しさを抱えることにならないか、よく考えましょう。
離婚は手続きさえ完了してしまえばOKですが、生活面での苦労・気持ちの問題など本当に後悔しませんか?
離婚するメリットが魅力的に感じるかもしれませんが、デメリットも含めて考慮して、後悔しない選択をなさってくださいね。
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